TEDで話すようにプレゼンできたら・・・ と考えるあなたに伝えたい1つの提案 (前編)

日本でもだいぶメジャーになってきたようだが、TEDというスピーチコミュニティーがある。コンセプトは”Ideas worth spreading”(世の中に知らしめる価値のある考えを広めていこう)ということとで、古今東西、著名も無名も、老いも若きもとがった考え方を持った人々が観衆の前でプレゼンテーションやパフォーマンスを行う。ノーベル賞受賞者とか、ある分野の研究の第1人者とか、起業家や、経営者から始まって、アート系、文学系、エンターテインメント系など幅広い人々がその考えを披露していく。その質の高い内容と聴衆を魅了するスピーカー達のプレゼンテーションスタイルが多くの反響を呼び、ここUSでも知らぬ人はいないというほどブランドを構築してしまった。今やTEDで話せることはある種のステータスとも言える。

東京でも 6/30 にTEDx Tokyoが開催されるそうだ。ちなみにTEDとTEDx は微妙に違って、xがつく方はあくまでオフィシャルのTEDの団体ではない。TEDに賛同して自主的に”TED like”なイベントを開催する人たちだ。(ちなみにTEDのConferenceに本当に参加するとなると、一人$6000以上の登録料が発生する。)

NHKがTEDを特集したのも相まって、日本でも注目が集まりTEDを利用できる英語学習サイトまで登場していた。(English Centralとか Oops! Study

さて、TEDに刺激されてこうした学習サイトで英語を学んでいったとしても、そのプレゼンテーション力まで身につくわけではない。TEDで話すスピーカー達を見て彼らは特別で、自分には到底及びもつかないと考えがちだが、決してそんなことはない。つまり、あのプレゼン力は鍛えれば身につけられるものであって、そのやり方が重要なのだ。

いわゆる「英語でのプレゼンテーションの型」である。その型を理解すると、TEDスピーカー達は決して飛び抜けたことはしていないことがわかる。そのしゃべる内容は飛び抜けていても、メッセージを伝える流れ、息遣い、構成はむしろ型に忠実と言って良い。

ならば、その型はどうやって身につけるのか?

実はTEDが始まる以前にこうした「人前で英語でプレゼンする場」というのはちゃんと存在し、今ももちろんある。しかも6000ドルもかからず、自分の場合たった年間50ドル。TEDほど戦略的にブランディングをしていないため、日本での知名度は今なおそこまで高くない。自分もUSに来てから知ったくらい。ただUSでは活動拠点の多さと、古くからつづている(1924年から)ということで、大抵の人は知っている。

それが、Toastmasters International (トーストマスターズ: 略してTM)である。

英語でのパブリックスピーキングスキルやリーダーシップを鍛えることを目的に創設されたNPO団体で、「トーストマスターズクラブ」は全世界に広がり、もちろん日本にも活動しているクラブがある。ここシリコンバレーでは概ね会社ごとにトーストマスターズクラブがあり、自分もJuniper US本社にあるこのクラブに参加した。

今からすると、そこでの経験は自分のパブリックスピーキング力を大きく伸ばしたきっかけだったと言える。TMとの出会いのおかげで、常に心配しながらやっていた英語でプレゼンが、むしろ楽しくやれるようになったと言えるくらいだ。その結果昨年(社内でだが)Best Speaker award をもらうに至った。

会話というレベルを超えて、多くの人前で話す英語のスキルをもっと上げたいと考えるなら、トーストマスターズでまずは自分のスピーチ力向上とプレゼンの型を体得することをおすすめする。その上で場数をこなせば、TEDのような場でのスピーチだって怖くなくなる。

ということで次回は実体験をもとにトーストマスターズでの活動がどんな感じだったのか、書いてみたい。

* ちなみに”Toastmaster”には「乾杯の音頭を取る人」とか、「宴の場での司会者」といった意味がある。