【書評】イノベーションを阻害する6つの要因 – Creative People Must Be Stopped: Six Ways We Kill Innovation




もしあなたが、「これはいけそうだ」というアイデアを思いつき、それをイノベーションとして形にしたい場合に何を考えるだろうか? まずはマーケット分析?予算?誰を仲間につける?等々

ところが現実は、そのアイデアを具現化する過程でもみ消される、変更に次ぐ変更を加えられて味気ないものになってしまうなんていうのはよく聞く話。ところが最近読んだ、

Creative People Must Be Stopped: Six Ways We Kill Innovation (Without Even Trying)

という本が、こんなジレンマ的状況に立ち向かうためのフレームワークをうまくまとめてると思ったのでご紹介。上記のようなジレンマを感じたことのある人は、ポイントだけでも読んでみると気づきがあるかもしれない。

著者は本書を通じて繰り返し強調していることがある。それは、「創造性は先天的なものではない」ということ。彼の言葉を使うと、故スティーブ・ジョブズの創造性は生まれつきのものではない。むしろ、いかに「自分への制約」を取り払うかにつきるという。従って、Constraint (制約) の正体を知ればおのずと各人がもてる創造性が発揮されるのだと。

そして、イノベーションを阻害するConstraintは以下のように構成される。



1.  Individual Constraints: Do They Understand Your Innovation Proposal?

制約そのものが実は本人自身に内在するというのがこのケース。具体的には、アイデアは面白いのに、相手にちゃんとその情熱が伝わるようなデリバリーをできていない。プレゼン・企画書・デモンストレーション等々。これはアイデアに夢中になって、聞いてもらう人のことを考えてるのがお粗末になるところから始まる。


2.  Group Constraints: Does Your Innovation Create Emotional Risks for Them?

そのアイデアを相手がサポートするにあたって、相手が心理的に抵抗を感じるような点にちゃんと踏み込んでフォローできているか?例えば、それが失敗すればサポートした自分の面目丸つぶれとか、地位が危うくなる、従来のプロセスを壊してまでやらないといけない理由がはっきりしない、こういった問題に対してあなたのイノベーションはどのような答えを用意するのか?



3.  Organizational Constraints: Does Your Innovation Support Their Mission and Goals?

会社にはMission statementそしてそれを実現するためのゴールと戦略がある。特に外資の場合、その戦略を実現するために各々の事業部や機能部門がどうあるべきか、相応の時間とお金をかけて考える。その上でどの優先順位で何をするか等々決まっていく。こうした会社の根幹とも言える部分と、あなたのイノベーションがどう寄り添うのか、明確さを失えばそれは会社自身があなたのイノベーションの制約となってしまう。


4.  Industry Constraints: Does the Innovation Account for Their Landscape?

はたしてそのイノベーションを考えつきそうな競合が、実はいるんじゃないか?狙うべきマーケットは明確か?もしくは、別の代替手段でもってそのイノベーションの価値は下がってしまう可能性はないか?もし既存のサプライチェーンを変更する場合、その経済的・心理的インパクトは?

こうした会社を取り囲む外側の要因に対してツメが甘いと、イノベーションは阻害されてしまう。



5.  Societal Constraints: Does the Innovation Support Their Values and Identity?

そのイノベーションが外に出た時、どのように口コミされるだろうか?利用する人々が欲しい・使ってみたいという体験を提供できるだろうか?法規制が将来的にかかってくる方向にはないだろうか?


6.  Technological Constraints: Can They Make the Innovation Perform as Promised?

そのイノベーションを具現化するために許される時間は?リソースはどの程度コントロールできるのか?InputとOutputは継続的にできるのか?(一発屋で終わらないか?)


ということで、これらの要素は冒頭のタマネギのように層となって重なっている。あなたが創造性をちゃんと発揮するためには、どの部分がボトルネックになってるのかを見極める必要があるのだ。

本書では各ポイントに対してどう対処すべきか解説がなされているので、ご興味があればぜひ読んで見ることをおすすめする。

そして、晴れてイノベーションが実現すれば、こんなことだって現実のものに・・

Terrafugia社の空飛ぶ自動車だ。

ちなみに最小構成価格 $279,000 (約2300万円)から。

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Tesla Model-S を見てきた

今日はSantana Rowにでかけたので、新たにオープンしたTeslaのショールームに立ち寄った。IPO前は一時期キャズムを乗り越えられるのかと心配されたテスラだが、2010年にNASDAQに上場後、現在もGMやFordを尻目に株価をじわじわ上げ続けている。特にシリコンバレーでは着々と電気自動車が根付き始めているように感じる。日産LeafやTesla Roadstarは頻繁にみかけるようになったし、うちの会社の駐車場にも電気自動車用の充電スタンドが常備されている。先日発表したModel Xもテスラのプレスリリースによれば、

“On Thursday evening, the night of the reveal, traffic to teslamotors.com increased 2,800 percent,” Tesla said. “Two-thirds of all visitors were new to the website.” – teslamotors.com

とのことで相当好評のようだ。ということでまずはこちらのショールームで、Model Sを見学。

と、中に入るやででんと鎮座するModel S。

中ではカスタマーが熱心に話を聞いていた。横に周ると充電口が。

こんな風にテールランプとのデザインの融合にうまくいっていて、よくあるガソリン車のように給油口だけやけに目立つということはない。

ちなみにオプションでシートをつけることもでき、床面から取り出すような形式になる。そうすると、大人5人、子ども2人が乗れてしまう。

フロントに寄ってみる。ボンネット開けっ放しだったけどなかなか精悍なマスクしてます。

さて、お気づきになった人もいると思うが、この車前と後ろにラゲッジスペースがある。ポルシェのケイマン(SUV)もこの手だが、4ドアセダンでこのパッケージができたのはモーター車がゆえに可能になったこと。横に車台が展示されておりこれを見ればその空間の秘訣がわかるはず。

車よく知る人が見れば、これは衝撃なはず。上の写真が車台 前から、下が後ろから。この後ろに乗っているまるっこいのが、モーターである。なんといっても小さい!並んでるタイヤと比べれば、いかにガソリン車の従来のエンジンより動力が小型になっているかおわかりいただけるだろうか?これだけ動力部が小さいから車内空間やラッゲージスペースを広くとれるのだ。そのおかげで、前後の重量配分も50:50と車としては理想的な配分。RWDなのにもかかわらず、リアエンジン車にありがちなカーブのとき「お尻が振れる」ということはないとのこと。

さて気になるお値段だが、最小構成で$49,900から。USでは今年の7月発売予定。日本では2013年から。うーん試乗してみたい・・