「就職・転職するなら外資系」と考えているあなたに、知っておいて欲しい3つの真実

日本にいたときに、大学の後輩らに就職にあたっての相談を受けたことがある。彼らは外資系を目指しており、会社についてのいろいろを聞いてくる。彼らは一様に「外資は実力主義だから」ということで、「自分の能力磨いてどんどん発揮する場がありそう」という観点が非常に強い。これははずれてはいないのだが、若干違和感がある。なぜかといえばあまりに「実力主義」の言葉が先行しすぎてる気がするのだ。

新卒で入社してからこれまで10年間、外資の日本法人と本国のHQを生き延びてきて、以下の3つは動かぬ真実。外資を自分のプロフェッショナルとしての舞台として選びたいなら、知っておいたほうがいいと思うので書いてみた。

 

#1 外資は実力・「実証」主義です。
ただ実力主義なのではない。それをしかるべき人にしかるべき内容をきちんと「実証」しないことには生き残ることはできない。この「実証」というのがクセ者で、例えば100%の達成度に対して自分が80%しかできなかったとする。それを80%のままアピールするのか、もしくは今80%だけど、その理由はXXで、YYくらいまでには+30%にできます、そのプランは・・のようにちゃんと「現状分析」と「ロードマップ」を含めて話せるか。 この差は大きい。前者は「あー80%しかできないのか」と思われるのに対して、後者は「うんうん。今は80%だけど、ちゃんと先が見えてるな」という印象になる。

ただ実力があってもいつも100%できるかどうかはわからない。もちろん100%の達成度を越えようとするのはプロとしての「基本中の基本」だが、そういかなかった場合でもきちんと実証できないとだめ。

 

#2 外資は「超」実力主義です。
何を言うか、と思われるかもしれないが、よーーくこの実力という言葉の意味するところを考えてみてください。NYSE, NASDACに上場しているような会社は常に4半期ごとの数字を出すこと、継続的な成長が見込まれることを常に市場から期待されています。それは翻って、いかに競合よりも一歩も二歩も先んじるか、違いを作るか、コストを下げるか、といった行動に現れます。それを担当していく人に対しても、会社としての目的の達成にはこの人のXXが必要という明確な理由がないと、そもそも存在すらさせてくれません。

常に自分をブラッシュアップさせて、自分ができること、わかっていることのエリアを広げていかないと(またそうしてきたこと、これからもできることを証明していかないと)明日あなたの席はないかもしれない。

 

#3 “KISS”してください
これまた何を、と思われるかもしれないが、これは”Keep It Simple Stupid”の略。
これはどちらかといえば特にUSにおいて言えることだけど、USで働く人々はできるだけ伝えることや、複雑な議論をシンプルにしたいと考えている。特にBUで働くと感じるが、今の事業部には世界中からディールの相談や、機能追加・改善の以来、顧客向けのプレゼンなどなどが日々押し寄せてくる。そんな中でできれば複雑な議論は後回しに・・と考える傾向が強い。一度そう思われてしまうと彼らの中のプライオリティーが下がっていくのだ。

例えばあなたが伝えたいことが相手に「なんか難しいこと言ってるな~」と思われたが最後、次のチャンスは数日後にあればラッキーくらいの感覚です。ちゃんとポイントを先に、Factをあとに、そのボリュームは相手の様子を見ながら、という感じで、話が膨れて込み入らないように気をつけてください。

自分が手がけることに対して難しい説明を求められない限りは、KISSをするクセをつけたほうが良いでしょう。

 

以上あくまで自分はIT系の外資しか経験してないので他の業界の正確なところはわからないけど、おおむねUSの会社はこんなもんです。外資の日本法人の場合はたいてい上司やチームのメンバーも日本人なので、そこまでシビアに求められないかもしれないが、もし上司が外国人、もしくはUSで働く、ということであれば、この3点を「当たり前」のスキルにしましょう。

文系エンジニアがシリコンバレーに来るには?

プロフィールにあるように自分は決して理系を卒業したわけでもなく、これといってコードが書けるわけでもない。そんなことを話すと、「文系エンジニアなのにどうやってシリコンバレーにこれたんですか?」との質問を受けるときがある。ふと自分の行動を思い起こしてみると5つぐらいポイントがあった。

1. 特定の分野でまずは1番になる。
2. 名前とキャラをキーマンに覚えてもらう。
3. 安心感
4. 常に視線を世界の標準に置く。
5. 情熱

これらのポイントについて解説してみます。

1. シリコンバレー始め、外資は “Who are you?” という質問に対してシビアに答えを求められる。
あなたは何屋で、何をしてくれるのか?どうしてあなたでなければいけないのか?Nativeな技術のわかるエンジニアは他にもいるのに、なぜNon-nativieな人を雇わなければいけないのか?

この辺に対して自分でスッと定義できて、明確な違いを打ち出せないと門前払い。
自分にとって、これからマーケットを作り出すようなスタートアップに入ったのは、ここで一定の結果が出せればそのまま”who are you?”に対する明確な回答を複数得られると考えたからだった。結果を出すためには誰よりもマーケットを理解し、まだ誰も知らない技術を深く理解しないといけない。
つまりスタートアップは狭い世界で1番になれるポテンシャルを秘めている。

2. どんなに働いても、それが見て欲しい人(一言で言えばHiring Managerになるような人、キーマンとなる人)が見ていなければ次につながっていかない。

3. その仕事は他の誰がやったとしても、自分のほうが優れているといえますか?エンジニアを名乗る以上は、時として徹底して細部を詰める必要がある。そこをゆるくしてしまうとこの程度か、と思われてしまう。それでは他のエンジニアとの差別化にはならない。
常にhigh quality & 高速アウトプットを心がければ(やるのはしんどいが)、こいつは任せればいい仕事してくれるという「安心感」につながる。

4. あなたの目指すレベルはどこにありますか?技術の流れを読み、自分の持っているものが常にフレッシュかどうか、そしてそれが世界を相手にしたときに恥ずかしくないというレベルだといえるのか?定期的にチェックしてください。学ぶのを惜しめばエンジニアとして負けです。

5. 時間がない、できるかどうかわからない、そういう言い訳をして手を引く人たちはたくさんいる。だが、そこにチャレンジして、誰もができなかったことをやってのけることこそ、本当のプロフェッショナルだと思う。だから自分は時間がある限りは最後の1秒まであきらめないし、可能性が少しでもあるならそこに賭けている。もちろんいつもうまくいくとは限らないけど、その蓄積は確実に次への土台となる。どんなに実力があっても気持ちで負けてたら絶対に勝負となる場面で勝てないんじゃないかな。こうしたエネルギーは、そのテクノロジーに対する情熱に比例するんだと思う。自分が心から面白いと思える技術であればあるほど良い。

(おおっと、そういえば英語に関して全くここでは触れてないけど、英語をブラッシュアップするのは前提の前提。)

上記ポイントに対してや、自分がやっていた英語の鍛え方についての詳しいことはまたの機会に。