プロダクトマネージャーの仕事をサッカーで語ってみる (その1)

ここ最近サッカーの世界では大きなニュースがいくつか続いた。なかでも注目だったのは、先日の日本 VS オーマン戦で、爽快な試合をしてくれた日本代表。香川がマンチェスターユナイテッド移籍を確定させ、まもなく欧州選手権が開催、グアルディオラ監督がバルセロナを去ったこと。どれも1つの記事になってしまうくらいのニュースだが、そんなサッカーモードな状態で本日のお題、プロダクトマネージャーの仕事について書いてみる。

(かなり主観で書くのと、サッカーに興味のない人は読みづらい可能性があるので、見苦しい所は飛ばしてください)

シリコンバレーで働いていると、時々サッカーをプレーしているような錯覚に陥る時がある。
(別に場所がシリコンバレーである必要はないかもしれないが)

なぜか?

それは、こちらの働き方が、各々の磨かれたスキルを持った個人が連動してチームという組織で動くからだ。ふと思い立って、ブラジル人の同僚に下のようなフォーメーションを見せてみたらこれが大ウケ。彼も同意してくれた。

ゴールをあげる(= ディールをクローズする)という観点で各役割を配置すると、3-4-3に収まる。今回はプロダクトマネージャーの周りにいるプレイヤーについて簡単に解説する。(外資のIT系がどんな人々で成り立っているかも合わせて参考にしていただきたい)

まずはわかりやすい前線から。いわゆる営業とSEがココ。ディールをクローズするのに直接関わる人達。アカウント営業とは特定の顧客にダイレクトに営業をしかける人。チャネル営業は代理店経由で数字を上げる人。そしてSEはその技術力を使って、プレゼン、デモ、ベンチマークテストと多彩に攻撃を作り顧客を落とす。ポイントは彼らは頻繁にポジションチェンジを行い、ゴールへの形(クローズへのシナリオ)を決定付ける。上図ではSEが中盤の司令塔となっているが、局面では営業が司令塔になり、SEが前線に立つこともある。

ディフェンスライン(= ポストセールス)にはいわゆるサポート部隊、QAテスト、キーパーに開発部隊を置いた。考え方としては、彼らはゴールを上げるシーンで直接顔を出すことはあまりない。むしろ攻めこまれた時(顧客に問題が起こりセールスから遠ざかる時)にむしろ目立つ人々。ことエスカレーションと呼ばれる人々(以前自分も担当した)は、守りの要となる。QAチームや開発そしてプロダクトマネージャーをうまく使って「組織的に」失点(=ディールのロスト、顧客の信頼低下)から守っていく。もちろん、後方での球際の強さ(技術力)、1対1の対人プレー(顧客が怒ってけしかけてくる)の場面でも強くないと、相対したときに相手の攻撃(言い分、怒号?)をかわせないし、カウンター(信頼回復からの次のビジネスチャンス)の起点となれない。

そして中盤である。

まずはプロダクトマーケティングが右サイド、左サイドは”Variable(可変)”、テクニカルマーケが中盤の底上がり目、プロダクトマネージャーはボランチ、とした。この左サイドには訳がある。そのディールの性質によって、ある時はアライアンス部隊、またある時はもう一人プロダクトマネージャー(例えばハードウェアや特定のチップ担当などSubject Matter Expertと呼ばれる人)、またはコーポレートSEと呼ばれる、顧客に大掛かりなデモを見せたりする人を配置するためだ。よってかなり左サイドで技巧的なプレーが要求される。

プロダクトマーケティングは基本的に会社の外に各種のメッセージを発したり、ブランディング、イベント周りを担当するということで、サッカーで言うところのサイドアタッカーの色が強い。

同じマーケでもテクニカルマーケティング(これも先日まで自分が担当した)はまた異なる。前線のマークが厳しい(顧客が素直に話を聞かない、競合からのプレッシャーがきつい)時に攻撃参加し、ゴールのチャンスメークを手伝う。よって、局面を打開するための高い技術力が求められると同時に、マーケターとしてのパスセンス(他のポジションへのコミュニケーション能力)も要求される。時に自らミドルシュートを狙い、マークを引き寄せ前線を楽にすることも行う。

さて、こうした各種のプレイヤーがいる中でプロダクトマネージャーは一体どんな役割を担うのか? 次回へ続く。

いざJob Change! 勝負を決める最初の100日の過ごし方

転職といえば、ダーマの神殿 (w

自分が小学生のころドラクエ3が爆発的に流行ったこともあり、ある仕事(戦士とか武闘家とか魔法使いとか)に精通した人が、別の仕事に変わる「転職」という概念があることを、このゲームを通じてなんとなく当時知っていた。今から思えば、複数の専門性の相乗効果を狙うというスタイルに、どこか憧れを抱いていた気がする。
(ドラクエ的に言えば、コテコテの戦士なのになぜか魔法まで使いこなせてしまうというような)

ただ、簡単な話ではない。キャラの強さがレベル30までいっていても、いったん転職するとレベル1に下がってしまうのだ。まさに最初からやり直しである。当時プレーしていて転職を実行すべきか否か、小学生ながらまるで大人のように悩んだ記憶がある(笑

そして、決断したらもう後戻りできない。

今自分がITの世界でプロフェッショナルとして働く中で、何度かこの「転職」を経験してきた。1時的にレベルダウンすることを覚悟の上である。後戻りできない緊張感と戦いながら、今度はそこからどうやってスムーズにレベルを上げていくかが次に大事なのだ。

これまでの経験や学んだことからいって、5つポイントがある。しかも、これらのポイントを実行するのにはスタートダッシュが必要。新しいポジションに移ってからの最初の100日が勝負だ。



1. Network, network, network

所変われば品変わり、おのずと人も変わってくる。まずは自分の上下左右にどんな人がいて、どういう力関係になっているのかをよく把握すべし。ポイントは、同一部署内だけではなく、部署外、事業部内外、社外と、水の波紋が広がっていくようにその環を広げて俯瞰すること。そして、自分が仕事をするにあたって大事な人々とネットワークをどんどん構築していくこと。



2. Deliver a quick win

日系企業の場合、えてして「まーゆっくり勉強してきなさい」という雰囲気があったりするが、こと外資に限ってそれは命取り。まずは自分が移ってきたということに対し、これだけのバリューがあるぞ、というのをきっちり見せつけるべき。「おお、なんかすげー奴が来た」と思わせないといけないのです。でも、あまりに大きな目標を最初に掲げる必要はない。ポイントは、小さいアウトプットでもいいのでチームへの貢献度が高いようなタスクを、できるだけ早く達成すること。



3. Under promise, over deliver

2と関連しているが、最初なのでいきなり大風呂敷を広げる必要はない。むしろ「能ある鷹は爪を隠す」的に、ゴールはそこそこに設定し、やってみたら120%くらいできちゃいましたくらいのほうが印象強い。



4. Set a personal 100-day goal, separate from whatever your manager expects

外資の場合、あなたがこのチームに入ってきたらこれを達成してほしい、ということを上司から明確に定義される。これは当然こなすとして、それ以外に自分個人として達成すべき目標を自分の中に立てるのだ。例えば、自分に直接担当しないプロジェクトでも、勉強するいい機会になると思えるものであればそこに顔出して、どう貢献できるか探ってみるとか、自分のチームでうまく機能していないプロセスがあれば、改善提案をしてみるとか。



5. Celebrate other poeple’s success

最初の100日間に、チームの誰かが素晴らしいアウトプットを出したとしても、それを見て焦る必要なない。むしろなぜ彼はそんなアウトプットが出せたのか冷静に分析してみること。そしてその人に対してはちゃんと「おめでとう」と言ってあげよう。



これから転職する人、異動した人、新しい仕事を初めて日が浅い人、リスクをとってチャレンジするからにはぜひ結果に結びつけましょう!今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。


「就職・転職するなら外資系」と考えているあなたに、知っておいて欲しい3つの真実

日本にいたときに、大学の後輩らに就職にあたっての相談を受けたことがある。彼らは外資系を目指しており、会社についてのいろいろを聞いてくる。彼らは一様に「外資は実力主義だから」ということで、「自分の能力磨いてどんどん発揮する場がありそう」という観点が非常に強い。これははずれてはいないのだが、若干違和感がある。なぜかといえばあまりに「実力主義」の言葉が先行しすぎてる気がするのだ。

新卒で入社してからこれまで10年間、外資の日本法人と本国のHQを生き延びてきて、以下の3つは動かぬ真実。外資を自分のプロフェッショナルとしての舞台として選びたいなら、知っておいたほうがいいと思うので書いてみた。

 

#1 外資は実力・「実証」主義です。
ただ実力主義なのではない。それをしかるべき人にしかるべき内容をきちんと「実証」しないことには生き残ることはできない。この「実証」というのがクセ者で、例えば100%の達成度に対して自分が80%しかできなかったとする。それを80%のままアピールするのか、もしくは今80%だけど、その理由はXXで、YYくらいまでには+30%にできます、そのプランは・・のようにちゃんと「現状分析」と「ロードマップ」を含めて話せるか。 この差は大きい。前者は「あー80%しかできないのか」と思われるのに対して、後者は「うんうん。今は80%だけど、ちゃんと先が見えてるな」という印象になる。

ただ実力があってもいつも100%できるかどうかはわからない。もちろん100%の達成度を越えようとするのはプロとしての「基本中の基本」だが、そういかなかった場合でもきちんと実証できないとだめ。

 

#2 外資は「超」実力主義です。
何を言うか、と思われるかもしれないが、よーーくこの実力という言葉の意味するところを考えてみてください。NYSE, NASDACに上場しているような会社は常に4半期ごとの数字を出すこと、継続的な成長が見込まれることを常に市場から期待されています。それは翻って、いかに競合よりも一歩も二歩も先んじるか、違いを作るか、コストを下げるか、といった行動に現れます。それを担当していく人に対しても、会社としての目的の達成にはこの人のXXが必要という明確な理由がないと、そもそも存在すらさせてくれません。

常に自分をブラッシュアップさせて、自分ができること、わかっていることのエリアを広げていかないと(またそうしてきたこと、これからもできることを証明していかないと)明日あなたの席はないかもしれない。

 

#3 “KISS”してください
これまた何を、と思われるかもしれないが、これは”Keep It Simple Stupid”の略。
これはどちらかといえば特にUSにおいて言えることだけど、USで働く人々はできるだけ伝えることや、複雑な議論をシンプルにしたいと考えている。特にBUで働くと感じるが、今の事業部には世界中からディールの相談や、機能追加・改善の以来、顧客向けのプレゼンなどなどが日々押し寄せてくる。そんな中でできれば複雑な議論は後回しに・・と考える傾向が強い。一度そう思われてしまうと彼らの中のプライオリティーが下がっていくのだ。

例えばあなたが伝えたいことが相手に「なんか難しいこと言ってるな~」と思われたが最後、次のチャンスは数日後にあればラッキーくらいの感覚です。ちゃんとポイントを先に、Factをあとに、そのボリュームは相手の様子を見ながら、という感じで、話が膨れて込み入らないように気をつけてください。

自分が手がけることに対して難しい説明を求められない限りは、KISSをするクセをつけたほうが良いでしょう。

 

以上あくまで自分はIT系の外資しか経験してないので他の業界の正確なところはわからないけど、おおむねUSの会社はこんなもんです。外資の日本法人の場合はたいてい上司やチームのメンバーも日本人なので、そこまでシビアに求められないかもしれないが、もし上司が外国人、もしくはUSで働く、ということであれば、この3点を「当たり前」のスキルにしましょう。

文系エンジニアがシリコンバレーに来るには?

プロフィールにあるように自分は決して理系を卒業したわけでもなく、これといってコードが書けるわけでもない。そんなことを話すと、「文系エンジニアなのにどうやってシリコンバレーにこれたんですか?」との質問を受けるときがある。ふと自分の行動を思い起こしてみると5つぐらいポイントがあった。

1. 特定の分野でまずは1番になる。
2. 名前とキャラをキーマンに覚えてもらう。
3. 安心感
4. 常に視線を世界の標準に置く。
5. 情熱

これらのポイントについて解説してみます。

1. シリコンバレー始め、外資は “Who are you?” という質問に対してシビアに答えを求められる。
あなたは何屋で、何をしてくれるのか?どうしてあなたでなければいけないのか?Nativeな技術のわかるエンジニアは他にもいるのに、なぜNon-nativieな人を雇わなければいけないのか?

この辺に対して自分でスッと定義できて、明確な違いを打ち出せないと門前払い。
自分にとって、これからマーケットを作り出すようなスタートアップに入ったのは、ここで一定の結果が出せればそのまま”who are you?”に対する明確な回答を複数得られると考えたからだった。結果を出すためには誰よりもマーケットを理解し、まだ誰も知らない技術を深く理解しないといけない。
つまりスタートアップは狭い世界で1番になれるポテンシャルを秘めている。

2. どんなに働いても、それが見て欲しい人(一言で言えばHiring Managerになるような人、キーマンとなる人)が見ていなければ次につながっていかない。

3. その仕事は他の誰がやったとしても、自分のほうが優れているといえますか?エンジニアを名乗る以上は、時として徹底して細部を詰める必要がある。そこをゆるくしてしまうとこの程度か、と思われてしまう。それでは他のエンジニアとの差別化にはならない。
常にhigh quality & 高速アウトプットを心がければ(やるのはしんどいが)、こいつは任せればいい仕事してくれるという「安心感」につながる。

4. あなたの目指すレベルはどこにありますか?技術の流れを読み、自分の持っているものが常にフレッシュかどうか、そしてそれが世界を相手にしたときに恥ずかしくないというレベルだといえるのか?定期的にチェックしてください。学ぶのを惜しめばエンジニアとして負けです。

5. 時間がない、できるかどうかわからない、そういう言い訳をして手を引く人たちはたくさんいる。だが、そこにチャレンジして、誰もができなかったことをやってのけることこそ、本当のプロフェッショナルだと思う。だから自分は時間がある限りは最後の1秒まであきらめないし、可能性が少しでもあるならそこに賭けている。もちろんいつもうまくいくとは限らないけど、その蓄積は確実に次への土台となる。どんなに実力があっても気持ちで負けてたら絶対に勝負となる場面で勝てないんじゃないかな。こうしたエネルギーは、そのテクノロジーに対する情熱に比例するんだと思う。自分が心から面白いと思える技術であればあるほど良い。

(おおっと、そういえば英語に関して全くここでは触れてないけど、英語をブラッシュアップするのは前提の前提。)

上記ポイントに対してや、自分がやっていた英語の鍛え方についての詳しいことはまたの機会に。