あなたの英語をワンランクあげる一言 #6


holy_grail

 

今回の表現は言葉の背景を知らないと全く理解できないシロモノ。”This is the holy grail”.

“The holy grail” そのものは聖なる盃という意味で使われ、特にキリストが最後の晩餐で使ったものとされている。なので、固有名詞扱い。キリスト死後、その盃はイングランドの教会に収められたのだが、結局行方不明に。中世ヨーロッパにおいては、その盃をキリストの血脈と崇められており、それを使えば病気が治ったり奇跡を起こすと信じられていた。そこでアーサー王と円卓の騎士達があちこち探してまわる冒険というのが、アーサー王物語の主題。

こんな背景から転じて、「なかなか見つけられない」、「達成するのはかなり難しい」ということをほのめかしたいときに使う。会話では、

A: “I need to get the information about X.  I know we have a tool Y.  Tool Z might help here.  But, I don’t know how we can tie Y and Z together..  Do you know any other better way to get this information?”

B: “This is the holy grail!   I don’t know how to get this with the tools we have…”

 

Aさんが社内のDBから欲しい情報を得ようと模索するも、やり方がよくわからない様子。Bさんに尋ねると、”That’s the holy grail!”と言われてしまった。これはBさんも見当もつかないということを意味している。

ちなみに、この意味で使う時のHoly grailは固有名詞なので、”the”を必ずつけましょう。
“a holy grail”にしてしまうと、この慣用表現の意味が崩れます。敬虔なキリスト教の人には
とても奇妙に聞こえてしまうので要注意。

 

 

AWSによる破壊的イノベーションが炸裂する!? Amazon.comとVMwareの対決に見るクラウド市場

Amazon-smile

“Amazon smile” それは勝ち方を心得た者の不敵な笑み?

つい数年前まで株価100ドル近くで推移していたVMwareが向こう3-5年は厳しい戦いになりそうな気配だ。1月末に決算発表とリストラのアナウンスを行ったタイミングで株価が急降下。52 week lowをつついてしまった。下の図は直近1年間の株価の動き。いかにその落ち込み方が急だったかが見て取れる。

VMW

EMCに買われNiciraを高額で買収した、業界では優良企業とされていたVMwareなのになぜ? それはVMwareのビジネスモデルがクラウド時代においてそぐわなくなりつつあるからだ。下記のCEOのコメントにもその危機感が現れていると思う。

“If Amazon Cloud wins, we all lose”
http://www.bizjournals.com/sanjose/news/2013/02/28/vmware-to-partners-if-amazon-cloud.html

簡単に要約すると、Amazon AWSが持ち前の柔軟性と、サービス展開と管理のしやすさ、圧倒的な価格優位性でパブリック・クラウド市場に旋風を巻き起こしている。VMwareはユーザーにソフトウェアを入手してもらい、ライセンス料を取る。そのライセンス料が非常に高額なので、自社でクラウド環境を構築、拡張となるとかなりの投資を覚悟しないといけない。ところがAmazon AWSのように、すでにクラウド環境が用意されていて自分のニーズに応じた使用料だけを払えばよいとなると、ユーザーの負担はかなり軽くなってくる。その価格差は構成によっては100倍以上にものぼる。よって、ユーザーからみたAWSの優位性がVMwareを凌駕しているのだ。

実際VMwareの決算書をみてみると、収益の半分はライセンス料。あとはサポート、教育といったサービス系。つまり完全にライセンスビジネス。

一方のアマゾン。目下株価が上昇気流にあり直近では275ドルを指す。売上高も6兆円を突破。まだその勢いは留まりそうにない。

amzn

ただ、よくよく決算書を読むと、アマゾンにも「?」がないわけではない。

1)AWSの収益性

売上構成を見ると、まだ圧倒的に小売事業が柱となっておりAWSはサービスとして全体の3%ほど。現状薄利多売モデルで、ユーザーベースを広げようとしている最中なのか?

NetSales_breakdown

一方のVMwareもこと米系エンタープライズにおいてはかなりユーザーベースを獲得していて、特にUS Federal (日本でいう官公庁エリア)をがっちり抑えている。支出が大きいこのマーケットでメインプレイヤーであることはキャッシュ・フローという点で強い。

2) 膨らむ借金?それとも攻めの投資?

アマゾンは昨年約3000億円ほどキャッシュを増やすことに成功している。ところがなんと、同時に3000億円の借金も行なっている。B/S上は”Net property plant and equipment”のところに収まってるようにも見えるので、AWSに重点投資ということも想像できなくもない。2013-14のスパンでどういったサービスが展開されてくるのか非常に見ものだ。

VMwareだってまだ十分戦えるだけのリソースがある。特に、トップが危機感を内外に示したことは非常にいいと思う。自社のビジネスにあぐらをかき、あまたの危機のサインに目を向けず、気がつけばおとなりの国の企業から増資を仰ぐハメになったシャープの経営とは様相が異なる。

もっともVMwareも一方的にAmazonを敵対視するのではなくて、もう少し協力的なアプローチやOpenStack等との連携などの「外向け」な方向性を示したほうが今後のクラウド市場で残っていくためにも必要だったとも思う。なんといっても、ESXiと他のデバイスとの高い互換性、vSphere APIは十分にオープンな世界をつなぐポテンシャルがあるのだから。このままだと「高額な自社製品への囲い込みこそ正義」という部分だけが一人歩きしかねない。

さて、このVMwareだが来る3/13に、EMCと共同で”Pivotal Initiative structure and business”についての発表が行われる。どうやらBig DataとPaaSの部分でのコラボらしいのだが、これが果たしてAWSからの脅威を跳ね返せるだけのインパクトとなるのか、要注目だ。