その決断、本当に大丈夫?スタンフォード大学が考えるDecision Quality

Pyramid

クルーグマンもうなる、13.1兆円の安倍政権肝いりの、緊急経済対策を盛り込んだ補正予算案。USで夜が開けるころには閣議決定も通るだろうし、その思い切りの良さはいいと思う。ただその使い方に関する意思決定についてはものすごく気を使ってほしい。なぜなら意思決定の良し悪しは予算の使い方、そして日本の向こう5年10年のプレゼンスにかなりインパクトが大きい。

なぜ、こんなことを言っているかというとスタンフォード大では意思決定クオリティーの良し悪しの根源はトップの意思決定に対する考え方で決まってしまうと説くから。例えばこんなニュースがあった。

理科好きの子ども育成を…教材費の大幅増額検討
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130107-OYT1T00598.htm

ん?ちょっとまって。「科学技術創造立国を目指す」のはわかるが、顕微鏡や人体模型の「数」が増えることがそもそも目標に対してとるべき本当の方法か?ここで問題になっているのは、「日本の中学2年生で『理科を使う職業に就きたい』と答えた割合は20%で、国際平均の56%を大幅に下回った」のが今見えている問題なのであって、それが「~の数」が足らないというのが原因とはならないはず。

なぜ、こんな意思決定をしてしまっているのか?

そこを考える前に意思決定には大きく3つ種類がある。Policy Decision, Strategic Decision, Tactics Decision。それらの関係性は下のピラミッド図のとおり。

Decision_Hierarchy

下の層の意思決定は上の層の意思決定の枠内でしか決められないというのがミソ。従ってTacticsはStrategic Decisionに当然依存する。ではPolicy Decisionとは何か?

Policy Decision -> 意思決定に含めない範囲

である。”Take it as given”という言葉で表現されたり、経済ドラマなんかででてくる、「ソコは今回触らないでおこう・・」という類のものだ。Policy Decisionをどこに設定するかで何が戦略的なのか意味合いがかなり変わってくる。

話を先の例に戻すと、今回大幅に減った理科系科目(ITの世界も含めて)の興味を上げたいのであれば、もっとそもそもなんで理科って大事だし面白い?に答えていくアプローチをとるって興味を育てるのが最初にあったっていい。そして、そうした仕事に就いている、これから就いていく人々がもっと称賛される仕組みを作るべきだし(高学歴プアなんてゆくゆく云われるような努力は誰もしたがらない)、またそうしたリアルなプロフェッショナル達が子どもたちにその世界がどんなものかを見せてあげるようなことに予算をつけるべき。(考えれば他にもいろいろあるが)

しかし、政府からすれば上記で論じるような部分は、意思決定に含めないか、含めたくないので、堂々と人体模型の数のための予算が盛り込まれる。

こうした政府の意思決定の裏側が見えてしまうと、13.1兆円も予算つけてるけどその政策立案と実行の部分で本当に大丈夫か?と疑問に感じてしまうのだ。これでは何かを決めているようで、本当の意味での経済対策のための意思決定になってない。

_________________________________________________________________________

本稿で紹介したDecision Qualityという考え方、スタンフォード大学で提供しているStrategic Decision & Risk Management という講座で学べます。意思決定のクオリティーを上げるための考え方やツール、また人間なら必ずあるバイアスの影響をどこまで小さくするかとか。クラスはすべてオンラインで受講できるので興味のある人はぜひ。

広告

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中