モチベーションを上げた一言 #1 – “Raise the bar high”

 

自分は結構「言葉の力」を信じる方なので、本や会話の中でよい言葉や表現に会うと記憶に残しておくタイプである。割とそういうことが10代のころからあったりして、そしてUSに移り住んでから続いている。当然場所柄、「おお、英語でこんな表現があったのか」という瞬間に立ち会うとちょっとうれしい。それは日本で中学・高校・大学と日本の英語教育システムの中で10年も英語を多かれ少なかれ勉強していたのに、なんと一度も出会うことのなかった言葉なのだ。それは単なる自分の勉強不足!? なのかもしれないが、自分の感覚としてはそういう「教わらない」英語がUSでは普通に、頻繁に使われている。

今回紹介する”Raise the bar high”という言葉は、自分がキャリアの方向性で行き詰まっていたとき、相談した相手にいわれた言葉。

文字通り解釈すると、単に「目標を高く」と読んでしまいそうだが、実はそんな単純なものではなかった。この”bar”は棒高跳びの”bar”を意味している。棒高跳びというのはルールとして、1試技成功することに、5cm高さが変わっていく。(走り高跳びの場合は2cm)

実はこの上げ幅にミソがある。30cmでもなければ1cmでもない。5cmなのだ。もし30cmなら、おそらく今やっていることを一旦ストップして(もしかしたらリセットして)、全く別のアプローチをしないといけないだろう。1cmならば、運がよければちょっとだけがんばればできてしまう可能性が高い。

今自分がなんとか飛べている高さの「5cm上」となると、30cmと1cmのちょうどハイブリッド的なアプローチが必要になる。今の自分の努力のしかたをそのまま足し算にしていく線形的なアプローチと、ちょっとやり方を変えてみる、今までノーマークだった部分も視野に入れてみて、そこから考えると何に自分が足りないのか、とかそういう非線形なアプローチの両方が必要なのだ。

もし今目標に向かって努力してるはずなのに・・なんかうまくいかない、近づいているように感じないことがあったら、この”Barの高さ”に意識してみると何か別の視点が開けるかもしれない。

Tesla Model-S を見てきた

今日はSantana Rowにでかけたので、新たにオープンしたTeslaのショールームに立ち寄った。IPO前は一時期キャズムを乗り越えられるのかと心配されたテスラだが、2010年にNASDAQに上場後、現在もGMやFordを尻目に株価をじわじわ上げ続けている。特にシリコンバレーでは着々と電気自動車が根付き始めているように感じる。日産LeafやTesla Roadstarは頻繁にみかけるようになったし、うちの会社の駐車場にも電気自動車用の充電スタンドが常備されている。先日発表したModel Xもテスラのプレスリリースによれば、

“On Thursday evening, the night of the reveal, traffic to teslamotors.com increased 2,800 percent,” Tesla said. “Two-thirds of all visitors were new to the website.” – teslamotors.com

とのことで相当好評のようだ。ということでまずはこちらのショールームで、Model Sを見学。

と、中に入るやででんと鎮座するModel S。

中ではカスタマーが熱心に話を聞いていた。横に周ると充電口が。

こんな風にテールランプとのデザインの融合にうまくいっていて、よくあるガソリン車のように給油口だけやけに目立つということはない。

ちなみにオプションでシートをつけることもでき、床面から取り出すような形式になる。そうすると、大人5人、子ども2人が乗れてしまう。

フロントに寄ってみる。ボンネット開けっ放しだったけどなかなか精悍なマスクしてます。

さて、お気づきになった人もいると思うが、この車前と後ろにラゲッジスペースがある。ポルシェのケイマン(SUV)もこの手だが、4ドアセダンでこのパッケージができたのはモーター車がゆえに可能になったこと。横に車台が展示されておりこれを見ればその空間の秘訣がわかるはず。

車よく知る人が見れば、これは衝撃なはず。上の写真が車台 前から、下が後ろから。この後ろに乗っているまるっこいのが、モーターである。なんといっても小さい!並んでるタイヤと比べれば、いかにガソリン車の従来のエンジンより動力が小型になっているかおわかりいただけるだろうか?これだけ動力部が小さいから車内空間やラッゲージスペースを広くとれるのだ。そのおかげで、前後の重量配分も50:50と車としては理想的な配分。RWDなのにもかかわらず、リアエンジン車にありがちなカーブのとき「お尻が振れる」ということはないとのこと。

さて気になるお値段だが、最小構成で$49,900から。USでは今年の7月発売予定。日本では2013年から。うーん試乗してみたい・・

 

 

Native相手に英語でシャベリ負けした・・と感じて学んだ3つのこと。

 

日本を離れ海外で戦うということは、自分の実力と意思を相手にはっきりぶつけていかないといけない。そんなことは他の媒体でも語りつくされているので、改めてこの場で話すことはしない。逆にいつもそんな記事を読んで思うのは、「じゃーお前はどんだけNativeにシャベリ勝ちしたことあんだよ」と聞き返したくなる。

ここで言っているシャベリ負けとは自分の言いたいことを言ってるつもりなのに、なかなか伝わらない、絶対自分の論点は合ってるはずなのに、相手のしゃべりが滑らかなゆえに、そちらのほうが聞こえがよくて、なんとなく皆そちらになびいてしまい自分の意見が通らない、そんな状態をさす。

(本稿の大前提としては、「相手の言ってることを理解している」というのは既にクリアしていること)

人はそれを、「自分の英語力が足りない」という一言で片付けてしまう。自分も最初そうだった。

だが、そうではない。その一言で片付けてしまうのはあまりにも惜しいと、今自分は考えている。シリコンバレーのIT業界に限って言えば、その人口構成の7割近くをインド、中国系が占める。純粋なアメリカ人というのはむしろ少数派なのだ。言い換えれば、この地はノンネイティブが大半を占める。彼らの英語だって全く完璧ではなく、独特の発音のクセがあったり聞きづらい時はしょっちゅうある。

なので、「自分の英語力が・・」なんて考えるのはまずやめてほしい。無論、うまいことに越したことはないのだが、それを理由に尻込みするのは自分で自分の可能性を閉じてるようなもの。

かくいう自分も、はたしてどういうように英語での議論を言い負かされないようにするか当初苦労した。2年くらい前から互角に戦えるようになってきたのだが、それには3つ理由があると思う。

1. 「勝負を挑むところと、流すところ」の見極め

全ての議論に勝つ必要はない。勝てないまでも負けなければ良いというときもある。まずは自分が「この部分は絶対誰が何をいっても自分のほうが良くわかってる」という分野を持つこと。そして、その部分での「圧倒的勝利」を積み重ねること。でないと、相手からはこいつは議論相手にならないと思われる。ただ、些細な負けは気にしない。

一方で、その「良くわかっている」といえる分野を継続的に広げること。そこで学んだことを他にも応用できれば最高。

 

2. 瞬発力

武道や芸術の世界では「型」とか「技」という考え方がある。例えば柔道の背負い投げ、剣道なら小手面みたいな。実は英語で議論する際にもこのアプローチは有効。そもそも英語で議論となった場合に使われる表現に、実は一定のパターンがある。(その辺りはまた別途)冒頭、議論の最中、そして結論部、それぞれの場面で使われる表現は決して難しいものではなく、ポイントはタイミングよく使えるかどうかなのだ。

要はそうした技をどれだけそろえられるか、型をどれだけ使いこなせるか、いつでも使える状態にしておくか。英語の議論は日本人にとって「瞬発力」勝負といっても過言ではない。今英語を使って仕事をしていて、今ひとつ伸び悩んでいると感じている方がいたら、英語の瞬発力を鍛えてみることをお勧めする。

 

3. カッコつけない

日本の英語教育(特に受験)ではとにかくたくさんの単語を覚えることになる。USで働いてみて、それらの単語が全て使われたことはない。確かに何かを読む場面では有効だと思うが、こと「議論」の場面においてはむしろ邪魔。せっかく覚えたんだし・・とそんな小難しい単語を使おうもんなら、逆に相手にわかってもらえない、というのも受験英語式で覚えてるので相手には不自然な使い方に聞こえる、他国のノンネイティブなんか、そもそもそんな単語知らなかったりする。ましてそれが電話会議上ともなると、”What did you say?”, “Does not make sense”とさかんに返り討ちに会うこと必至。

とにかく聞きづらいのだ。逆に言えば、動詞は中3くらいまで習うようなものを中心に、英熟語は使っても慣用表現は避ける、長い文章をしゃべろうとしない。日本で生まれ育ったのであればNativeに「近づく」ことはできても「成ろう」としてはいけない。なる必要もない。そんなカッコつけるようなことをしても、大事な局面では化けの皮が剥がれるだけ。相手の言うことを理解し、こちらの言ってることを理解してもらうことに集中。極力難しい表現をそぎ落とし、シンプルに語ること。

この3点が「型」にハマってくると、英語力の切れ味、表現の鋭さは確実に増します。

Non-nativeでも大丈夫!自分の英文メールを読んでもらうための5つのルール

USで働くということは、当然英文メールのやりとりに問題があっては仕事にならない。日本にいてたまにUSに問い合わせという状況で送信するメールと、USの中にあって、USの関係各所に働きかけなければいけないメールでは、明らかにそのスタンスに違いがあることに最初とまどった。日本からの問い合わせ、という文脈であれば今自分が日本でこういう案件をもっていて、ディールをクローズするためにも助けて欲しい、というトーンで書けばたいてい助けてくれる。

しかしUSの中にあって、「今度こういうプロジェクトを動かすためにはXYZしないといけない(してもらわないといけない)」という内容でメールを書くとなると、生半可なお願いモードでは確実に”Delete”処理となる。そもそも読んでもらえないと思ったほうが良い。相手が上層部および社外の人となるとなおさらだ。メンバーがグローバルに散らばるプロジェクトを担当するようになって、一向に進まない場面に出くわしたとき、何がいけなかったのか勉強したり相手に直接聞いたりしていって、いくつかわかったことがあった。そこに5つのポイントがあると思うのでここに書いてみる。頭文字をとって”CLEAR”のルールとでもいえるかな。

C: Connect

そのメールが相手の仕事のどこと”Connect”するのか、きちんと明記すること。

L: List next step

そのメールを読んだあとにして欲しいことをリストアップ。

E: Expectations

相手にしてほしいこと、出してほしいOutputの期待値はどこにあるのか、明記する。

A: Ability

そのタスクをやってもらうときにもし疑問や困難を感じるようであれば、必要な情報・人・ツールとして、どこを当たればいいかを書く。(当然自分のところに質問して、というのもある)

R: Return

そのタスクの結果の全体に及ぼす影響、もしくはやってもらった本人にとってどんな意味があるのか。「その仕事をおれがやって何になんのさ?」という意味合いで、こちらではよく”What’s in it for me?”という言い方をする。それに対する答えを書く。

ちなみにこのCLEARは順番に書く必要ないです。流れに応じて順番を変えても大丈夫。要はこの5つのポイントがギュッと詰まっているか、が大事。5つもポイントがあるからといって、だらだら書いてはいけない!

日本でももちろん通用する話だと思うが、若干クドいかもしれない。しかし、USもしくは多国間でとなると、この5つがそろってないと相手は読んでくれない。メンバー間である程度意識が共有されていれば5つのうちの3つだけ、ということでも大丈夫だと思うが、欧米系の*Low Contextの国(「空気を読め」は通用しない、基本何でもダイレクトに)では、そういう思い込みがコミュニケーションのずれを生むので要注意。


*これに対して日本をはじめとするアジア圏は、そのコミュニケーションスタイルとして”High Context”と呼ばれる。このLow, Highはコミュニケーションする人々の間で共有される価値観の度合いの高低を示している。USのように移民が多い国は、日本人同士と比べて価値観の違いが大きいので、何かを説明するとなるとかなり細かく話さないといけない。これは良し悪しの問題ではなくて、そういうスタイルがあるというのを知った上で自分を適応させないといけないということ。